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腰椎椎間板ヘルニアは、強い腰痛を引き起こす病気です。腰痛に加え足の痛みやしびれを伴うこともあります。多くは、自然に収まりますが、重症で生活に支障があれば手術も考えます。

どんな病気か

腰椎の椎間板が飛び出して、強い腰痛を引き起こします。椎間板は背骨の骨と骨の間にある軟骨です。椎間板の中心にゼリー状の「髄核」があり、その周囲を「繊維輪」という丈夫な組織が包む構造になっています。そのため、椎間板は弾力性に富み、背骨に加わる衝撃を吸収する役目を果たしています。

この椎間板に大きな圧力が加わったり、繊維輪が弱くなっていたりすると、繊維輪に亀裂が入り、中野髄核が脱出することがあります。これが「椎間板ヘルニア」で腰椎に発生した、ものを「腰椎椎間板ヘルニア」といいます。

髄核が脱出せず、椎間板の一部が膨らんだ状態になり、周囲の神経を刺激することもあります。ヘルニアとは、本来「脱出」を意味する言葉ですが、このような状態も「椎間板ヘルニア」に含め、髄核が飛び出す「脱出型」と一部が膨らむだけの「膨隆型(ぼうりゅうがた)」とに分類することもあります。

腰椎椎間板ヘルニアでは、多くの場合、強い腰痛が起こります。椎間板の後ろ側(背側)には、脊髄から枝分かれして出ていく神経があり、脱出部や膨隆部によって神経が圧迫され、さらにヘルニアの周囲に炎症が起こることで痛みが起こります。

最も発症頻度が高い場所は、第4腰椎と第5腰椎の間で、次が第5腰椎と仙骨の間です。この2カ所で腰椎椎間板ヘルニアの約9割を占めているといわれています。

年齢では、10代~20代の若い人から高齢者までが発症しますが、最も多いのは40代の人で、女性より男性に多い傾向があります。

なぜヘルニアになるのか

腰に負担をかけたり、腹筋や背筋が弱いと起こりやすい

椎間板ヘルニアは、椎間板の内圧が高まることで起こりますが、この内圧は姿勢によって変化します。寝ている時に比べ、立つと体重によって内圧が高くなります。特に腰に負担のかかる前かがみの姿勢だといっそう内圧が増します。この時に重い荷物を持てば、さらに内圧は高くなります。座っている時には、本来軽く前弯(前方凸の湾曲)している腰椎が後湾(後方凸の湾曲)することでやはり、椎間板の内圧が高まります。

また、腰椎を支えている腹筋や背筋が弱いと腰にかかる負担が大きくなり、腰椎椎間板ヘルニアが起こりやすくなるといえます。前かがみの姿勢で作業する人や座ったまま長時間過ごす人は、腰椎の椎間板に負担がかかります。バスやタクシーの運転手に腰椎椎間板ヘルニアが多いのは長時間座り続けることが原因と考えられます。

また、肥満の方は、体重による椎間板への負担が大きくなります。そのため、腰椎椎間板ヘルニアは肥満の方にやや多い傾向があります。

ただこうした要因だけで起こるのではなく、実際には先天的な素因が大きく関係していると考えられています。

重い荷物を持ち上げた瞬間に起こる病気と思われていますが、こうしたケースはあまり多くありません。実際にはストレスの強い生活や夜更かしするような不規則な生活が引き金となって起こることが多いようです。

症状

腰痛に加えて下肢の痛みやしびれが合わられることもあります。

腰椎椎間板ヘルニアでは、最も代表的な症状として「腰痛」がおこります。ヘルニアによって神経が圧迫されるのに加え、外層線維輪のひび割れにより、神経が刺激され、急性の激しい腰痛が現れるのが特徴です。ある特定の姿勢で痛みが楽になることが多く、しばしば運動制限を伴います。下肢に響くような痛みやしびれなど「坐骨神経痛」の症状が現れることもあります。これは、脊髄から枝分かれして下肢に伸びている坐骨神経の神経根が椎間板の脱出部によって障害されることで起こります。痛みやしびれは、知覚神経が障害されることで起こる症状です。それに伴い、運動神経が障害されることで下肢の筋力低下が起こることもあります。椎間板ヘルニアの大部分は、椎間板の左右どちらかに起こるため、坐骨神経の症状も大抵、片側の下肢に現れます。

ヘルニアが大きく馬尾神経(脊髄の末端部分)に障害が及んでいる場合には重症で、膀胱や直腸の働きに影響が現れ、排尿機能や排便機能が低下してしまうこともあります。

これらの症状は基本的には、慢性的な経過をたどりますが、中にはヘルニアが自然に消失し、症状が消えるケースもかなりあります。ただしいったんよくなっても、同じ部位で再発したり、反対側で再発したりすることもあるので、注意が必要です。

重い荷物を持ち上げるような作業はもちろん、同じ姿勢で長時間座り続けることも腰に負担をかけます。デスクワークや車の運転をするときは、時々腰を伸ばすことをおススメします。

症状が落ち着いたら、積極的に筋力強化に取り組むことも再発予防に役立ちます。特別なトレーニングではなくとも、毎日1時間歩くようにすれば、自然に筋力が強化されます。歩くことで肥満を解消でき、さらに肥満を予防するのにも効果的です。

また、腰椎椎間板ヘルニアは、不規則な生活をしている人に多いので、規則正しい生活を送るように心がけるのも大切です。

再発を防ぐための日常生活の注意

○タバコは慎む、お酒も飲み過ぎない  不摂生を続けると、腰痛も招きやすい。

○1日1時間を目安にウォーキング  運動不足で筋力が低下すると腰痛も起きやすい。

○長時間座っているときは、途中で腰を伸ばす  同じ姿勢を長時間摂り続けると負担がかかります。

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